酵素とは

「酵素」というのは総称です。基本的な分類番号が付与されたものだけでも3千種類以上も見つかっています。しかも、同じ酵素でも、あらゆる生物で少しずつ異なるので、地球上には数えきれないほど多くの種類の酵素が存在しています。

酵素は、物質としては蛋白質ですが、生体触媒と呼ばれています。あらゆる生命の営みは、無数の化学反応の集合であるとも言えますが、酵素はその莫大な数の化学反応を実行している働く蛋白質です。原則として、一つの酵素は、自身は変化することなく、一つの化学反応を行います。つまり、酵素はその種類ごとに、特定の決まった物質にしか作用しません。この特定の物質を捉えることができる酵素の性質(基質特異性と言います)を利用して、各種の酵素を使った分析方法が開発され、用手法測定キットあるいはバイオセンサとして、数多くの製品が販売されています。

エンザイム・センサの強みは、世界でオンリーワンのL-グルタミン酸オキシダーゼをはじめ、各種の分析好適酵素を自社製造して、新しい比色測定方法を開発するとともに、酵素や測定キットの特許権を取得していることです。

酵素を使った測定(分析)法とは 

L-グルタミン酸オキシダーゼという酵素は、L-グルタミン酸(昆布のうま味成分)を分解しますが、他の物質には反応しません。従って、うどんやラーメンのスープの中に、この酵素を加えると、スープに含まれている多数の物質の中から、L-グルタミン酸だけをキャッチして、これを分解します。分解されて出てくる物質(1:1の関係で出てくる)を、試薬を加えて色素へ変換して、色の濃さを測定すると、結果として、スープ100mL中に、何mgのL-グルタミン酸が入っているのかを定量出来ることになります。同様の原理で、いろいろな酵素を使って、それぞれの酵素が分解するターゲット物質の測定を色の濃さで行う比色測定法が開発され、種々のキットが市販されています。当然、一つの物質だけを捕捉して作用し、他の物質には反応しない酵素だけが、測定キットへ応用可能であり、しかも熱に安定な性質の酵素が求められます。

なお、基本的には、一つ一つの酵素は、それぞれ特定の物質に反応しますが、他の物質にも若干は作用する酵素がほとんどです。従って、数ある酵素の中でも、非常に基質特異性の高い酵素だけが、測定キットへ応用可能となります。